いつも行くコンビニの入口近くに、ツバメの巣がありました。
最初に気づいたのは、春先のことです。買い物を終えて外に出ると、塀の上のほうでツバメが忙しそうに飛び回っていました。
「あ、今年も来たんだ」
そう思うと、なんだか嬉しくなりました。
私はこのコンビニに10年ほど通っています。朝のコーヒーを買う日もあれば、仕事帰りにおにぎりを買う日もある。
店員さんとも顔なじみで、特別な会話はなくても、少し安心できる場所でした。
ところが、ある朝。
いつもの場所を見上げると、巣が崩れていました。
下には泥のかけらが落ちていて、親鳥が何度も何度も周りを飛んでいました。
胸がぎゅっとなりました。
「誰かが壊したのかな」
最初にそう思ってしまいました。
場所は塀の近くで、棒のようなものがあれば届いてしまいそうな高さです。人通りも多いし、心ない人がいたのかもしれない。そう考えると、悲しくて腹立たしくなりました。
数日後、また少しだけ巣が作り直されていました。
親鳥は諦めずに泥を運び、何度も戻ってきていました。
でも、その巣もまた壊れていました。
一度ではありません。
何度も、何度も。
そのたびに、親鳥は周りを飛び続けていました。まるで、そこにあるはずのものを探しているように。
私はたまらなくなって、レジにいた店長さんに聞きました。
「またツバメの巣、壊れてますよね。誰かがやってるんですか?」
すると店長さんは、少し悔しそうな顔で言いました。
「あれね、カラスにやられてるんだよ」
私は言葉を失いました。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください