ただの鼻風邪だと思って、近所の耳鼻科を受診した。
朝から鼻水が止まらず、少し喉が痛いだけだった。
「たぶん風邪でしょう」
そう思いながら診察を受けた。
受付を済ませ、診察室に呼ばれると、医師からいくつか質問された。
「いつから症状がありますか?」
「熱はありますか?」
「鼻の奥に痛みはありませんか?」
私は「昨日から鼻水が出るだけです」と答えた。
ところが、医師は鼻の中を確認したあと、
「念のため、いくつか調べましょう」
と言った。
その後、鼻の奥の処置を受け、検査を受け、画像検査まで行うことになった。
正直、少し大げさではないかと思った。
「これ、本当にただの鼻風邪なんだけどな……」
診察が終わり、会計へ向かった。
財布を出しながら、私は数千円程度だと思っていた。
しかし、受付の女性が告げた金額は、
「12,200円です」
だった。
「えっ?」
思わず聞き返した。
鼻風邪のような症状で受診しただけなのに、12,200円。
受付の人が間違えたのかと思い、明細を受け取った。
そこには、初診料、処置、検査、画像診断など、いくつもの項目が並んでいた。
私は少し不安になりながら尋ねた。
「すみません。この画像診断というのは、何を調べた検査ですか?」
受付の人は、医師に確認してくれた。
しばらくして診察室から医師が出てきた。
「鼻風邪だけに見えても、鼻の奥の炎症が強い場合があります。今回は、念のため奥の状態を確認しました」
そう説明され、私は明細をもう一度見直した。
確かに、何をしたのか分からないまま請求されたわけではなかった。
ただ、検査を受ける前に費用の説明がなかったため、不安になったのだ。
私は医師に、
「次からは、検査の前におおよその金額を教えていただけますか?」
と静かに伝えた。
医師は少し驚いた顔をしたあと、
「説明が足りませんでした。申し訳ありません」
と頭を下げた。
さらに、検査の必要性と明細の内容を1つずつ説明してくれた。
結果として、会計の金額自体に誤りはなかった。
ただの鼻風邪だと思っていても、症状によっては検査や処置が増えることがある。
だからこそ、患者側も「この検査は何のためですか?」「自己負担はいくらくらいですか?」と確認していいのだと思う。
私も次回からは、怖がって黙るのではなく、納得してから検査を受けることにした。
12,200円という金額には驚いたが、明細を確認したことで、少しだけ安心できた。