「10本のろうそくがあります。全部に火をつけたところ、風で3本が消えました。最後まで残るろうそくは何本ですか?」
私は迷わず、紙に「10−3=7」と書いた。
だって、最初は10本。
そのうち3本が消えた。
だから残りは7本。
計算は合っている。
自信満々で答案を提出したのに、返ってきた答案には赤い大きなバツがついていた。
その下には、先生の一言。
「よく問題を読みましょう!」
私は思わず、
「まじで何がダメなんですか?」
と声に出してしまった。
家に帰ってからも納得できず、母に問題を見せた。
母は最初、私と同じように、
「10本から3本消えたんだから、7本でしょ」
と言った。
父にも聞いた。
父は電卓を取り出して、
「10−3=7。間違ってないな」
と真剣な顔で答えた。
翌日、学校で友達にも聞いてみた。
みんな「7本」と答えた。
中には、
「この先生、採点ミスじゃない?」
とまで言う人もいた。
私は答案を持って、職員室へ向かった。
「先生、計算は合っていますよね?」
そう尋ねると、先生は怒らず、問題文の一部分を指差した。
「ここをもう一度読んでみて」
そこには、
「風で3本が消えました。最後まで残るろうそくは何本ですか?」
と書いてある。
先生は静かに続けた。
「消えた3本は、火がついていないから、ろうが溶けずに残ります」
「では、火がついたままの7本は?」
私は言葉を失った。
火がついている7本は、時間が経てばろうが溶けて、最後にはなくなる。
最後まで残るのは、風で消えた3本だった。
「答えは7本ではなく、3本です」
先生の説明を聞いて、ようやくバツの意味が分かった。
私は数字だけを見て、問題の状況を想像していなかったのだ。
計算は合っていた。
でも、問題を解けてはいなかった。
家に帰ると、父にその話をした。
父はしばらく黙ったあと、
「なるほど……俺も完全に引っかかった」
と苦笑いした。
母は笑いながら、
「数字だけじゃなく、文章もちゃんと読まないとね」
と言った。
今回の答えは「3本」。
正解を知った今なら簡単に思える。
でも、あなたは最初に何本と答えましたか?