「弊社としては、最初から車内に入っていたとしか考えられません」
ディーラーに愛車を預けた私が、返却された車の中で見つけたのは、まさかの吸い殻だった。
我が家には喫煙者が1人もいない。
それなのに、運転席の足元には、明らかに誰かが吸った形跡のある吸い殻と、使い終わったようじが落ちていた。
最初は、信じられなかった。
「え? 誰がこんなものを車内に?」
私はすぐに写真を撮り、ディーラーの担当者に連絡した。
すると、返ってきたのは予想もしなかった回答だった。
「弊社には、該当する者はおりません」
「第三者が車内で喫煙した可能性も、限りなく低いと考えております」
「返却時に清掃していれば、吸い殻は処分しているはずです」
そして最後に、こう言われた。
「弊社としては、最初から入っていたとしか申し上げられません。したがって、特別な対応はいたしかねます」
耳を疑った。
預ける前から入っていた?
私は車内でタバコを吸わないし、家族も吸わない。
そもそも、わざわざディーラーに車を預けて、吸い殻を残したまま返してもらう理由などない。
それでも、預ける直前の車内写真は撮っていなかった。
そこを指摘されると、確かに反論しづらい。
「証拠がないなら、こちらでは何もできません」
そんな空気を感じた。
悔しかった。
けれど、感情的になって怒鳴っても、相手が対応を変えるとは限らない。
私は、もう1度だけ冷静に連絡することにした。
「誰が入れたのか、今ここで断定してほしいわけではありません」
「ただ、確認も十分にしないまま、最初から入っていたと結論づけるのは納得できません」
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