最近、仕事がずっと忙しかった。
帰る時間も遅くなって、家に着く頃には体も頭も重い。
子どもたちの顔を見るたびに、「今日もちゃんと話を聞いてあげられなかったな」と申し訳なくなる日が続いていた。
その日も、家に帰った時点で頭痛がひどかった。
台所に立つだけで、こめかみがズキズキする。
本当なら、もう少しちゃんとした晩ごはんを作ってあげたかった。
でも冷蔵庫を開けて、鍋を出したところで限界を感じた。
「今日はシチューとご飯だけでいいかな……」
自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
すると、小4の息子がそっと近づいてきた。
「お母さん、疲れてる?」
その声が、いつもより少し小さかった。
私は笑ってごまかそうとしたけれど、うまく笑えなかった。
「そうだね。今日は頭痛もひどいから、早く寝ようかな」
そう答えると、息子は少し考え込むような顔をした。
そして、ぽつりと言った。
「疲れてるときは甘い物がいいらしいね」
私は鍋をかき混ぜながら、「そうなのかな?」と返した。
その時は、それ以上深く考えなかった。
子どもなりに心配してくれているんだな、くらいに思っていた。
晩ごはんは、本当にシチューとご飯だけになった。
おかずもない。
サラダもない。
いつもより明らかに簡単な食卓だった。
私は申し訳なくなって、子どもたちに言った。
「シチューだけでごめんね」
すると、息子がすぐに顔を上げた。
「シチューやったー!」
小2の末っ子も続けて、「いい匂い!」と言った。
そして食べ始めると、いつものように言ってくれた。
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