親友から送られてきた1枚の写真を見た瞬間、私は思わず言葉を失った。
白い外壁一面に、茶色い汚れが点々と飛び散っていた。雨だれのように流れた跡もあり、壁の下には何本ものタバコの吸い殻。しかも、ただ1本落ちていたというレベルではない。まるで誰かがそこで何度も吸い、吸い殻を投げ、汚れをそのまま放置していったような状態だった。
「これ、何……?」
親友の声は震えていた。
場所は鴫野。時間帯は昼前くらいから夜の間。家族が不在にしていた間に起きたらしい。帰宅して最初に気づいたのは、玄関横の白い壁だったという。
最初は泥かと思った。でも足元を見ると、フィリップモリスの吸い殻がいくつも落ちていた。壁の汚れも、タバコのヤニや灰が混じったような色に見えた。
「こんなん、普通に怖いやん」
親友は怒っていた。でも、それ以上に怖がっていた。
家は誰かにとって、最後に安心できる場所のはずだ。なのに、自分の家の壁が知らない誰かに汚されている。しかも、いつ誰がやったのか分からない。これほど気持ちの悪いことはない。
私はすぐに「まず写真を全部残して」と言った。
壁全体、足元の吸い殻、落ちている位置、汚れのアップ。掃除する前に記録を残すことが大事だと思ったからだ。
親友は震える手で何枚も写真を撮った。吸い殻には直接触らず、ビニール袋と割り箸で回収した。念のため、時間と場所もメモした。
その後、近所の人にも声をかけた。
「昼前から夜の間で、不審な人を見ませんでしたか?」
最初はみんな首をかしげていた。
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