仕事中、妻から突然電話がかかってきた。
出た瞬間、妻の声がいつもと違った。
「車がエコキュートに突っ込んだとよー」
一瞬、意味が分からなかった。
「は?何?どういうこと?」
すると電話の向こうで、さらに慌てた声が返ってきた。
「お湯が吹き出しよるー!」
その言葉で、ようやくただ事ではないと分かった。頭の中が真っ白になりかけたが、まず家にいる母と妻の安全を確認しなければならない。
「ケガは?母さんは無事?」
「たぶん大丈夫。でもパニックになっとる」
私はすぐに言った。
「とりあえず住宅メーカーに電話して!俺は水道局に電話するけん!」
電話を切ったあと、手が震えていた。仕事どころではなかった。上司に事情を話し、車に飛び乗った。家までの15分が、やけに長く感じた。
帰宅して目に入った光景に、言葉が出なかった。
白い車が家の横へ突っ込み、エコキュートにめり込むように止まっていた。日立製のエコキュートは大きくへこみ、まるで車を受け止める盾のように立っていた。周囲には水とお湯の跡。家の外壁すれすれで、もし数十センチずれていたら、車はそのまま壁に突っ込んでいたかもしれない。
1階にいた母は、まだ顔色が悪かった。
「ドカンって音がして……何が起きたか分からんかった」
母の声は震えていた。
2階にいた妻は、大きな衝撃音のあと、お湯が吹き出す音と母の叫び声を聞いたという。慌てて窓から下をのぞき、車が突っ込んでいるのを見て、すぐに私へ電話してきたらしい。
幸い、家族にケガはなかった。
それだけで、本当に救われた。
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