エンジン排気音は、単なる音ではない。車の性格や走行体験を大きく左右する、極めて重要な要素だ。特にHondaは、そのサウンドデザインにおいて他のメーカーとは一線を画してきた。だが、600ccという小さなエンジンに、なぜこれほどまでにこだわったのか？その答えを追い求めるべく、今回取り上げるのは、Hondaがかつて送り出した驚きの技術と、その音の魔法に秘められた理由である。

第一章：なぜ600ccに「異次元の排気管」を装着したのか？

時は1970年代、Hondaは世界的にその地位を確立しつつあったが、技術的な冒険を続けることに情熱を燃やしていた。この時代、Hondaは一般の市場で600ccという小排気量のエンジンを搭載した車両を製造していたが、驚くべきことに、そのエンジンに装備された排気管は当時としても異常なまでにこだわり抜かれていた。だが、なぜそこまで排気音に力を入れたのか？

その理由の一つに、Hondaが「音」

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