日曜日の夕方、大学生の娘が突然こんなことを聞いてきた。
「お母さん、人体で一番大きな臓器って何だと思う?」
私は夕食の準備をしながら答えた。
「肝臓じゃない?」
「どうしてそう思ったの?」
「だって、肝臓って体の中で一番大きな臓器だって聞いたことあるよ」
娘はニヤッと笑った。
「確かにそれも間違いじゃないんだけど、問題は『人体で一番大きな臓器』だよ」
私は手を止めた。
「えっ、どういうこと?」
「体の中で一番大きいものと、人体全体で一番大きいものは違うんだって」
私は首をかしげた。
肝臓より大きな臓器があるなんて、考えたこともなかった。
「じゃあ肺?」
「違う」
「腸?」
「それも違うよ」
「心臓は小さいもんね……」
娘は楽しそうに笑っていた。
「お母さん、難しく考えすぎ!」
「そう言われても、臓器ってお腹や胸の中にあるものじゃないの?」
すると娘が、自分の腕を差し出した。
「これも臓器なんだよ」
私は娘の腕を見つめた。
「腕?」
「違う違う。腕の表面!」
「……皮膚?」
「正解!」
私は思わず声を上げた。
「えっ!皮膚って臓器なの?」
娘はうなずいた。
「そう。
皮膚は人体で最大の臓器なんだって」
ちょうどそのとき、仕事から帰ってきた夫がリビングに入ってきた。
「何をそんなに驚いてるの?」
私はすぐに問題を出した。
「人体で一番大きな臓器は何でしょう?」
夫は少し考えてから答えた。
「肝臓じゃないの?」
「私と同じこと言ってる!」
「えっ、違うの?」
娘が笑いながら言った。
「正解は皮膚!」
夫は驚いた顔をした。
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