仕事から帰宅したのは、午後9時20分だった。
疲れきった体で、いつもの月極駐車場へ向かった。
ところが、自分の区画を見た瞬間、思わずブレーキを踏んだ。
銀色の軽自動車が停まっていたのだ。
「……誰の車?」
一瞬、自分が駐車場所を間違えたのかと思った。
しかし、地面に書かれた「月極」の文字も、区画の位置も間違いない。
ここは私が毎月8,000円を支払って借りている場所だった。
車を降りて確認した。
福岡ナンバーの軽自動車。
見覚えはまったくなかった。
「何で人の駐車場に停めるかな……」
周囲を見渡しても、持ち主らしい人はいない。
私は管理会社に電話した。
しかし、営業時間はすでに終了していた。
仕方なく警察へ相談した。
「すみません。月極駐車場に知らない車が停まっていて、自分の車が停められないんです」
「契約されている区画ですか?」
「はい。毎月料金を払っています」
「分かりました。状況を確認します」
しばらくして警察官が来てくれた。
私は契約している区画と、停まっている軽自動車を指さした。
「ここが私の場所です」
警察官は周囲を確認した。
「いつから停まっていますか?」
「分かりません。
今帰宅したら停まっていました」
「持ち主に心当たりは?」
「まったくありません」
警察官は車の状況を確認したあと、私有地での駐車トラブルについて説明してくれた。
状況によって対応は異なるが、単なる無断駐車の場合、警察がその場で強制的に車を移動できるとは限らないという。
「じゃあ、私の車はどうしたらいいんですか?」
私は思わず聞いてしまった。
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