2年間、毎月きちんと駐車場代を払い続けていた。
その場所は、私にとってただの駐車スペースではなかった。朝の通勤時間を守るための、生活の一部だった。駅まで車で向かい、そこから電車に乗る。1本でも乗り遅れれば遅刻する。だからこそ、契約した場所に確実に停められる安心のために、ずっとお金を払ってきた。
ところが、その日の朝。
いつものように駐車場へ行くと、私の契約区画に見知らぬ車が停まっていた。
一瞬、区画を間違えたのかと思った。けれど番号も場所も合っている。間違いなく、私が2年間借りている場所だった。
「うそでしょ……」
時計を見ると、電車の時間まで余裕はほとんどない。ここで別の駐車場を探していたら、確実に遅刻する。警察に電話しても、私有地のトラブルはすぐには動けないと言われることが多い。迷っている時間すらなかった。
私は仕方なく、その迷惑車両の前に自分の車を停めた。もちろん、嫌がらせをしたかったわけではない。自分の契約場所を塞がれ、他に選択肢がなかっただけだ。
そして急いで駅へ向かった。
仕事中も、ずっとそのことが頭から離れなかった。2年間払ってきた駐車場代。勝手に停めた相手。
もし自分が逆に責められたらどうなるのか。怒りと不安で、スマホを見るたびにため息が出た。
夕方、車に戻ると、フロントガラスに紙が貼られていた。
そこには大きな字で、
「車が停められません。至急移動してください」
と書かれていた。
さらに小さな付箋には、地元業者らしき名前と連絡先まであった。
私はその紙を見た瞬間、逆に冷静になった。
「停められません、じゃない。
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