「近所に住む義姉が、玄関の鍵が開いていると、ノックもなしに勝手に家に入ってくる……」
そんなプライバシーも何もない恐怖のストレスから解放されるため、私は思い切って最新の「指紋・顔認証付きスマートロック」を玄関のドアに導入した。 設定は完璧で、ドアが閉まってから「5分後」には自動で完全に施錠されるオートロック仕様にしている。
これで勝手に侵入されることもなくなるだろうと、私は心からホッとしていた。
しかし、その平穏はあまりにも儚く打ち破られた。
ある日の午後、リビングでくつろいでいると、玄関の方から「ガタガタッ! ドンドンッ!」とドアノブを激しく乱暴に揺する異様な音が響いてきた。 「え……何? 泥棒!?」 恐怖で心臓が跳ね上がりながらも、スマホ連動の玄関モニターを恐る恐る確認した。
そこに映し出されていたのは、我が家のドアノブを鬼の形相で引っ張り、無理やり開けようと必死になっている「義姉の姿」だった。
スマホの画面越しに見えるその光景は、ホラー映画よりもよっぽどおぞましく、私は恐怖でその場で凍りついた。
もちろんスマートロックはしっかりと施錠されており、顔認証も登録されていない義姉が開けられるはずもない。 しかし、開かないと分かると、今度はインターホンを連打しながら、ドアを蹴るような音が響いてきた。
「怖すぎる……! どうしてそこまでして人の家に勝手に入ろうとするの……!?」
頭が真っ白になりながらも、私は震える手でスマホを握りしめた。
「これ、もう我慢の限界だし、不法侵入未遂として警察を呼んでもいいよね……いや、絶対に呼ぶべきだ!」
私は一刻の猶予もないと判断し、すぐさま110番通報のボタンを押した。
数分後、我が家の前にパトカーのサイレン音が鳴り響き、制服姿の警察官2名が駆けつけてくれた。
モニターに映っていた一部始終の録画データ、そしてスマートロックの侵入履歴のログをすべて警察官に提出した。
「勝手に他人の家に入ろうとするストーカー行為や住居侵入未遂にあたりますね」と、警察官はその場で義姉に厳重注意を行い、二度と勝手に近づかないよう強く警告してくれた。
後日、義姉の夫である義兄や親族も巻き込んだ大騒動に発展し、義姉は平謝りする羽目になった。 合鍵や「開いているからいいか」という甘えたモラルを完全にシャットアウトするために導入したスマートロック。 それは私のプライベートを守るだけでなく、とんでもない侵入者を撃退するための最強の盾となってくれたのだった。