「この金額、本当に家だけの値段ですか?」
私は見積書を見ながら、何度も数字を確認した。
工事金額。
25,895,000円。
その下には、
消費税等。
1,294,750円。
合計すると、約2700万円。
紙1枚に書かれた数字なのに、ずっしり重く感じた。
数年前まで、家を建てることは「いつか叶えたい夢」だった。
広いリビング。
家族が集まる場所。
子どもが走り回れる庭。
そんな普通の暮らしを想像していた。
でも最近、住宅価格の話を聞くたびに思う。
「家って、こんなに高かったっけ?」
知人が見せてくれた過去の資料。
そこには2011年の住宅価格の話が残っていた。
37坪。
本体価格2600万円。
「当時はこのくらいで建てられたんだよ」
その言葉を聞いた時、私は驚いた。
もちろん、建物の仕様や設備、土地条件は違う。
単純には比較できない。
でも、現在の住宅事情を見ると、負担感が大きく変わっているのは確かだった。
建築資材の価格。
人件費。
設備費。
さまざまなものが上がっている。
さらに消費税の負担もある。
昔なら同じ予算で選べた設備が、今では追加費用になることもある。
「夢のマイホーム」
そう簡単には言えない時代になった。
ある夫婦が家づくりの相談をしていた。
最初の希望は、
「普通の4LDKでいい」
だった。
でも見積もりを重ねるたびに、
断熱性能。
キッチン設備。
収納。
外構工事。
必要なものを足していくと、予算はどんどん膨らんだ。
「家を買うって、建物だけじゃないんですね」
奥さんはそう話した。
契約前には、見積書の細かい部分まで確認した。
本体価格だけを見るのではなく、
税金。
諸費用。
追加工事。
将来的な維持費。
全部含めて考える必要がある。
今回の見積書を見て感じたこと。
それは「高くなったから諦める」ではなく、
今の時代に合わせた計画が必要だということだった。
昔の価格を知っている人ほど、
「同じ家なのに、なぜこんなに違うの?」
と感じるかもしれない。
でも住宅は、時代とともに変化している。
材料も。
職人の費用も。
求められる性能も。
変わっている。
だからこそ、数字だけを見るのではなく、
何にいくらかかっているのかを知ることが大切。
見積書の最後に書かれた金額。
そこに家族の未来の生活費まで考えた時、
本当の家づくりが始まるのかもしれない。