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小学校から突然の電話…『書道コンクールの課題に誤りがありました』娘が何十枚も練習した作品は“きぼり”。正しい課題は“きぼう”だったと知った母が最後に伝えた言葉とは…
2026/09/24

「申し訳ありません。書道コンクールの課題に誤りがありました」

小学校から電話が来た瞬間、私は嫌な予感がした。

受話器の向こうの先生の声は、いつもより少し重かった。

「2年生の課題についてですが……」

私は黙って続きを聞いた。

すると、

「(誤)きぼり」
「(正)きぼう」

という言葉が出てきた。

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一瞬、意味が分からなかった。

「え……?」

娘が毎日練習していた文字。

何度も何度も筆を持ち直していた作品。

その課題自体が間違っていたという。

私はすぐに娘の書いた紙を見た。

そこには大きな筆文字で、

「きぼり」

と書かれていた。

墨の濃淡。

筆の入り方。

止め、はね、払い。

小さな手で一生懸命練習した跡が残っていた。

「これ、どうするの……」

胸が苦しくなった。

娘は書道が得意だったわけではない。

最初は筆の持ち方も分からなかった。

墨をこぼして服を汚した日もあった。

「もう嫌だ」

と言った日もあった。

それでも、

「上手になりたい」

と言って毎日少しずつ練習していた。

休日には家のテーブルを片付けて練習。

何十枚も書いた中から、一番きれいな1枚を選んだ。

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その努力を知っていたからこそ、今回の連絡は簡単には受け止められなかった。

もちろん、先生もわざと間違えたわけではない。

学校側も確認不足だったことを謝罪してくれた。

でも、子どもにとっては大人が思う以上に大きな出来事だった。

「私、間違えちゃったの?」

娘が小さな声で聞いてきた。

その言葉を聞いた時、私はすぐ答えた。

「違うよ」

「あなたは先生に言われた課題を一生懸命書いただけ」

「頑張ったことは何も間違ってないよ」

今回、一番つらかったのは文字そのものではなかった。

頑張った子どもが、

「自分のせいかもしれない」

と思ってしまうことだった。

その後、学校から改めて説明があった。

課題の訂正について。

今後の対応について。

提出作品について。

先生方も対応に追われていたようだった。

娘の作品については、事情を説明した上で確認することになった。

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結果がどうなるかは別として、

私は娘の作品を捨てることはできなかった。

なぜなら、その紙には2年生の娘が頑張った時間が全部残っているから。

間違った課題だったとしても、

流した涙。

練習した時間。

最後まで諦めなかった気持ち。

それは消えない。

今回の出来事で思った。

大人にとっては「課題の訂正」でも、

子どもにとっては「一生懸命頑張った証」なのかもしれない。

あの日、娘が書いた「きぼり」の文字。

本当は間違いではなく、

小さな手で精一杯描いた、娘だけの「きぼう」だった。

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