「……これ、本当に完成する家の基礎なの?」
私は現場写真を見た瞬間、不安になった。
念願だったマイホーム。
土地を決めて。
間取りを考えて。
何度も打ち合わせを重ねて。
やっと始まった新築工事だった。
最初は、基礎工事が進んでいく様子を見るのが楽しみだった。
「ここにリビングができるんだ」
「この場所で家族が過ごすんだ」
そんな期待でいっぱいだった。
しかし、ある日現場を見に行った時だった。
基礎の側面を見て、私は足を止めた。
コンクリートの表面。
ところどころに凹凸。
ザラついた部分。
一部が補修されたように見える箇所。
写真を撮って家族に送ると、すぐ返信が来た。
「これ、大丈夫なの?」
その一言で、急に不安が大きくなった。
住宅は人生で一番大きな買い物と言われる。
数千万円を払う家。
その土台になる基礎部分。
もし問題があったら?
見えなくなる場所だからこそ、余計に怖かった。
私は施工会社へ連絡した。
「基礎の側面が写真のような状態なのですが、問題ありませんか?」
感情的に責めるのではなく、まず確認した。
担当者は現場を確認すると言った。
数日後。
現場監督と一緒に説明を受けることになった。
持ってきたのは施工写真と工事記録。
担当者は、
「コンクリートは型枠を外した後、表面に多少の凹凸や色ムラが出ることがあります」
と説明した。
見た目だけでは判断できない部分もあるという。
ただし、重要なのは見た目ではなく、
・構造に問題がないか
・必要な補修がされているか
・施工基準を満たしているか
だった。
私はさらに確認した。
「後から見えなくなる場所だからこそ、記録を残してほしいです」
すると担当者は、補修箇所や確認内容を記録として残してくれた。
写真。
施工記録。
確認内容。
それらを見て、少しずつ不安は消えていった。
今回のことで分かったことがある。
新築工事では、素人には判断できないことが多い。
「大丈夫だろう」
と流してしまうこともできる。
でも、疑問を持った時に確認することは悪いことではない。
むしろ、家族が何十年も暮らす場所だからこそ、納得するまで聞くことが大切だと思った。
完成後は見えなくなる基礎。
だからこそ、工事中にしか確認できないことがある。
あの日、写真を撮って施工会社へ連絡したことで、
私はただ不安になるだけではなく、
自分の家を守るための一歩を踏み出せた。
そして最後に現場監督が見せてくれた1枚の写真。
そこに写っていたものを見た瞬間、
私はようやく安心することができた……。