史上最強に気持ち悪いと思ったのは、相手が既婚者だったからだけではありません。
最初に出会ったのは、マッチングアプリでした。プロフィールには「独身」「真剣に恋人探し」と書いてあり、写真も普通で、メッセージも丁寧。何度かやり取りをして、私は少しだけ安心してしまいました。
「前の恋愛で傷ついたから、ゆっくり仲良くなりたい」
そんな言葉まで送ってきたので、私も警戒心を少し緩めてしまったんです。
初めて会ったのは駅前のカフェでした。彼は「仕事が忙しくて夜しか会えない」と言い、土日もなかなか予定が合いませんでした。今思えば、そこで気づくべきだったのかもしれません。
でも当時の私は、「大人同士だし、忙しい人なんだろう」と思っていました。
何度か食事に行き、手をつなぐようになった頃、彼の言動に少しずつ違和感が出てきました。
電話は絶対に出ない。家の場所は教えない。休日の昼間は返信が極端に遅い。スマホはいつも伏せて置く。
ある日、彼がトイレに立ったとき、テーブルに置かれたスマホが光りました。見るつもりはありませんでした。でも画面に出た通知の名前を見て、思わず固まりました。
「妻」
その2文字を見た瞬間、血の気が引きました。
戻ってきた彼に、私は静かに聞きました。
「結婚してるの?」
彼は一瞬だけ目を泳がせましたが、すぐに笑いました。
「違う違う、元妻。まだ名前変えてないだけ」
その場ではそれ以上問い詰めませんでした。けれど帰宅後、私は彼の名前、勤務先、写真を頼りに調べました。すると、家族で写っている古い投稿が出てきました。
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