D払いが使えないと言われたので、久しぶりに現金で払うことにしました。
その日は仕事帰りで、コンビニに寄って飲み物とパン、ちょっとした日用品を買いました。合計金額は1,078円。いつものようにスマホを出して支払おうとしたら、店員さんが少し困った顔で言いました。
「すみません、今D払いが使えないみたいで……」
後ろには数人並んでいました。
私は慌てて財布を開きました。小銭入れには、100円玉、10円玉、1円玉が少し。できればお釣りを少なくしたい。そう思って、千円札1枚、100円玉1枚、10円玉3枚をトレーに置きました。
合計1,130円です。
すると店員さんが、トレーを見て言いました。
「あのー、30円はいらないです」
一瞬、私は手を止めました。
たぶん店員さんは、1,100円で受け取って22円のお釣りを出せばいいと思ったのでしょう。間違いではありません。けれど私は、52円のお釣りがほしくて1,130円を出していました。
財布の中の小銭を減らしたかったのです。
私はできるだけ穏やかに言いました。
「大丈夫なので、それでレジ打ってください」
店員さんは少し首をかしげました。
「でも、30円多いので……」
その声が少し大きく、後ろに並んでいた人がこちらを見ました。私は恥ずかしいというより、少しだけ困りました。こちらが変なことをしているみたいな空気になったからです。
「1,130円でお願いします。お釣り52円になりますよね」
そう言うと、店員さんは「あ、え?」という顔をしました。
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