「小学生なら難しいと思うだろうな……」
そう言いながら、私は娘の算数プリントを見つめていた。
問題には、次のような式が書かれていた。
2÷□+3÷□+5÷□+7÷□+11÷□+13÷□+17÷□+19÷□+23÷□=□
しかも、すべての□には同じ数が入るという。
娘は鉛筆を持ったまま、10分以上も固まっていた。
「これ、全部の□を同じにするってことだよね?」
「そうだね」
「でも、何を入れればいいのか分からない……」
たしかに、小学生の立場なら混乱する。
分母に入る数が書かれていない。
1を入れてもいいし、2を入れてもいい。
10を入れてもいい。
どの数字を入れても計算自体はできてしまう。
娘は最初、□に「1」と書いて計算を始めた。
2+3+5+7+11+13+17+19+23。
しかし、数字が多すぎて途中で間違えた。
次に「2」を入れてみた。
すると、今度はすべての分数を計算しなければならない。
「2分の2は1だけど、3分の2は……」
娘の表情は、どんどん険しくなっていった。
そのとき、帰宅した中学生の兄がプリントをのぞき込んだ。
「これ、□をxに置けばいいんじゃない?」
娘は不思議そうに兄を見た。
兄は紙の端に、すぐに式を書いた。
まず、分子だけを足す。
2+3+5+7+11+13+17+19+23。
順番に計算すると、
2+3=5。
5+5=10。
10+7=17。
17+11=28。
28+13=41。
41+17=58。
58+19=77。
77+23=100。
つまり、分子の合計は100になる。
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