夕方5時を少し過ぎたころだった。
洗濯物を取り込もうとベランダに出た瞬間、鼻の奥にこびりつくような煙の匂いがした。
最初は、どこかの家で魚でも焼いているのかと思った。
でも、次の瞬間、子どもの甲高い声が駐車場いっぱいに響いた。
「もっと焼いてー!」
「煙すごーい!」
「走るなって言ってるでしょ!」
下をのぞいて、私は思わず固まった。
四方を住宅に囲まれた小さな月極駐車場。
その真ん中に、折りたたみテーブルと椅子。
そして、堂々と置かれたバーベキューコンロ。
炭の煙が、風に流されてこちらのベランダへ上がってくる。
干していたタオルも、シャツも、全部その匂いを吸っていた。
「え……ここでやる?」
声に出してしまった。
その駐車場は、隣の家族が借りている区画の一角だった。
普段はあいさつもするし、子どもも元気で、別に悪い印象はなかった。
むしろ、まともな家族だと思っていた。
でも、その日は違った。
子どもたちは車止めの上を飛び越えながら走り回り、
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