弟が学校から帰ってきたとき、いつもより明らかに様子がおかしかった。
玄関で靴を脱ぐ動きも遅く、リビングに入ってきても目を合わせない。
母が「どうしたの?」と聞くと、弟はしばらく黙ったあと、かばんの中から1枚の紙を出した。
そこには、学校からの指導報告書が入っていた。
「校内での迷惑行為により、反省文提出」
最初は、弟が何かやらかしたのかと思った。
でも、理由の欄を読んだ瞬間、家族全員が言葉を失った。
弟が処分を受けた理由は、
「昼休みに、同級生の机の上に置かれていた牛乳を片づけたから」
だった。
意味が分からなかった。
詳しく聞くと、その牛乳は給食のあとからずっと机に放置されていたらしい。
教室は午後の授業前で、匂いもしていた。
周りの生徒が「くさい」と騒いでいたので、弟は先生に言いに行こうとした。
でも、その持ち主の男子が笑いながら言った。
「触ったらお前のせいな」
弟は最初、無視した。
けれど、牛乳パックが机の端から落ちそうになっていて、床にこぼれたらもっと大変になると思ったらしい。
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