洗面所で顔を洗っていたとき、突然「パキッ」と乾いた音がした。
最初は、どこから鳴ったのか分からなかった。
私はかなり目が悪い。
顔は濡れているし、メガネも外している。
視界はぼんやりしていて、洗面台の周りも白くにじんで見えた。
「え?なに?」
水を止めて、耳を澄ませた。
でも、家の中は静かだった。
夫も子どももまだ寝ている時間。
誰かが何かを落とした気配もない。
嫌な予感がして、慌ててタオルで顔を拭き、メガネをかけた。
その瞬間、目に入った光景に固まった。
洗濯機のドアのガラス部分が、蜘蛛の巣みたいにバキバキに割れていた。
「えっ……?」
声が出た。
本当に、それしか出なかった。
洗濯機は回していない。
触ってもいない。
さっきまで私は洗面台の前にいただけ。
それなのに、買ってまだ1ヶ月ほどの洗濯機のガラスが、内側から割れたようにひびだらけになっていた。
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