昨夜22時40分ごろ、仕事を終えて団地へ戻った。
エントランスの掲示板を通り過ぎようとしたとき、古びた紙が1枚増えていることに気づいた。
手書きで、
『団地入居者様へ』
と書かれていた。
その下の文章を読み、私は足を止めた。
『当団地において、巨大な人の顔のようなものがたびたび目撃されています』
最初は誰かの悪ふざけだと思った。
しかし、紙の最後には団地の管理事務局名が記されている。
『目撃しても決して近づかず、身の安全を最優先に行動してください』
そこまでは、不審者への注意喚起とも考えられた。
だが、次の1文だけは明らかにおかしかった。
『また、警察などへの通報は差し控えてください』
危険なものを見ても、警察には知らせるな。
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