娘が教師を辞めると言い出したとき、私は耳を疑った。
娘は大学を卒業し、念願だった小学校の教員になったばかりだった。
小さい頃から先生になりたいと言っていた。
その夢をかなえるために勉強を続け、ようやく採用されたのだ。
私も妻も、本当に喜んだ。
それなのに、わずか1年で退職するという。
「どうしてだ?」
私は娘に尋ねた。
娘はうつむいたまま答えた。
「もう、続けられないと思う」
「まだ1年だろう。仕事なんて、最初からうまくいくものじゃない」
「分かってる。でも……」
娘はそこで言葉を止めた。
私は、その沈黙がもどかしかった。
せっかく苦労して教師になったのに、こんなに簡単に諦めていいのだろうか。
私自身、会社員として長年働いてきた。
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