「22年間も教師になるために勉強してきたのに、たった1年で辞めるなんて……」
私は、娘の退職をどうしても受け入れられなかった。
50代前半。
妻と2人で暮らす私は、娘が大学に合格した日から、ずっと娘の夢を応援してきたつもりだった。
娘が教師になりたいと言ったとき、私は心から喜んだ。
教育費を工面するため、欲しかった車を諦めたこともある。
休日に働いて、学費を少しでも貯めたこともある。
娘が試験に落ちて落ち込んだときには、「努力は必ず報われる」と励ました。
そうして娘は、22年間の努力を実らせ、念願の小学校教師になった。
私は親戚や友人に、何度も自慢した。
「うちの娘、とうとう先生になったんだよ」
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