浮気した夫から離婚条件を突きつけられたのは、月曜日の朝だった。
結婚して12年。
夫は38歳、私は36歳。
小学5年生の娘と、小学2年生の息子がいる。
夫の浮気が分かったのは、3週間前だった。
きっかけは、夫のスマホに表示されたメッセージだった。
「昨日はありがとう。また会いたい」
知らない女性から届いた通知を見て、私は言葉を失った。
夫に尋ねると、最初は仕事関係の知人だと言い張った。
しかし、その後、夫は相手の女性と交際していることを認めた。
「もう気持ちがないんだよ」
その一言で、12年間の結婚生活が音を立てて崩れた気がした。
私は離婚を考えるようになった。
すると夫は、なぜか自分が被害者であるかのような態度を取り始めた。
「俺を追い出すつもりか?」
「浮気したのはあなたでしょ」
「お前が離婚したいって言うからだろ」
話し合いは、いつも平行線だった。
そして月曜日の朝7時15分。
朝食の片づけをしている私に、夫が1枚の紙を差し出した。
「これ、読んどけ」
「何?」
「離婚の条件だよ」
紙には大きく『離婚する条件』と書かれていた。
私は最初の項目を読んで、思わず目を疑った。
『離婚するなら、慰謝料1000万円を払う』
「ちょっと待って」
私は夫を見た。
「これ、私が払うってこと?」
「そうだけど」
「どうして?」
「俺だって離婚で人生が変わるんだから、慰謝料くらいもらわないとな」
私は呆れて声も出なかった。
「浮気したのはあなたなのに?」
「だから、それはもう終わった話だろ」
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