「先生、計算は合ってますよね!?」
高校生の息子が、返却されたテストを机に叩きつけた。
そこには大きな赤いバツ印と、先生の「よく問題を読もう!」という文字があった。
問題文はこうだった。
「ろうそくが10本あります。全部に火をつけたところ、風で3本が消えました。
最後まで残るろうそくは何本ですか?」
息子の答えは「7本」。
10-3=7。
計算は間違っていない。
それなのに、なぜ6点満点の問題が0点なのか。
「意味が分からない! 先生、算数もできないのかよ!」
息子は納得できず、夕食の席でもずっと文句を言っていた。
「お母さん、これ絶対におかしいだろ? 10本から3本消えたら7本じゃん!」
私は答案用紙を受け取り、問題文をゆっくり読み直した。
そして、思わず笑いそうになった。
「ねえ、あなた。火が消えなかった7本は、そのあとどうなると思う?」
「そりゃ、燃え続けるだろ」
「じゃあ、最後まで残るのは?」
息子は一瞬、黙り込んだ。
けれど、すぐに反論してきた。
「いやいや、問題には何時間後とか書いてないじゃん! それに、ろうそくが燃え尽きるなんて書いてないだろ!」
確かに、その指摘も一理ある。
問題文には時間も、ろうそくの長さも書かれていない。
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