「酒を飲まないなら、ほかの店へ行ってください」
焼き鳥を食べに入った居酒屋で、店員から信じられない言葉を浴びせられた。
その日、私は久しぶりに父と2人で外食をすることにした。
父は昔から焼き鳥が大好物だった。
以前から気になっていた店の評判を聞き、わざわざ電車に乗ってやってきたのだ。
店内には香ばしい焼き鳥の匂いが漂い、カウンターでは常連らしき客が楽しそうに酒を飲んでいた。
席に案内され、メニューを開こうとしたとき、テーブルの横に貼られた1枚の張り紙が目に入った。
「当店は呑み屋です。必ず全てのお客様にお酒のご注文をしていただきます」
さらに、その下にはこう書かれていた。
「水だけでいい、我慢する。焼き鳥が美味しいと聞いた、等の理由は一切受け付けておりません。どうぞ他店へ」
私は思わず父と顔を見合わせた。
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