「これ、分かる人いる?」
そう言って、私は1枚の問題を家族のグループに送った。
そこには、こんな問題が書かれていた。
「ハンバーガーとポテトを合わせて買ったら、代金は500円でした。ハンバーガーはポテトより300円高いです。ポテトはいくらでしょう?」
私はすぐに「200円じゃない?」と思った。
ハンバーガーが500円で、ポテトが200円。
合わせて700円になることには、なぜか気づかなかった。
すると、夫からすぐに返信が来た。
「そんなの簡単。ポテトは200円でしょ」
やっぱり同じ答えだった。
ところが、大学生の娘から返ってきた言葉に、私たちは固まった。
「それだと合計700円になるよ」
「え? でもハンバーガーはポテトより300円高いんでしょ?」
「うん。だから、ポテトを100円にすると、ハンバーガーは400円。合わせて500円になるの」
私は慌てて紙に書いてみた。
ポテト100円。
ハンバーガー400円。
合計500円。
本当に正解は100円だった。
すると夫は、急に強気になって言った。
「こんなの、問題の書き方が悪いんだよ。普通は200円って思うだろ」
娘は少し笑いながら、冷静に返した。
「普通に思いつく答えと、条件を満たす答えは違うよ。数字を見た瞬間に決めつけると、間違えるんだよ」
その言葉に、夫は黙り込んだ。
実はその日、夫は仕事で大きなミスをしていた。
取引先から届いた請求書の金額を確認せず、「いつもの金額だろう」と思い込み、上司にそのまま報告してしまったのだ。
しかし、実際には1桁違う金額が記載されており、危うく会社に大きな損失が出るところだった。
夫はそのことを思い出したのか、しばらく問題用紙を見つめていた。
そして小さく、
「思い込みって怖いな」
とつぶやいた。
私は、ただの算数問題だと思っていた。
けれど、答えを間違えたことよりも、間違いを認めずに「問題が悪い」と言い訳した自分たちの姿のほうが、ずっと恥ずかしかった。
その夜、夫は会社に戻って請求書をもう一度確認した。
すると、やはり入力ミスが見つかり、早い段階で訂正できたという。
翌朝、夫は娘に頭を下げた。
「昨日は助かった。これからは、数字を見た瞬間に決めつけない」
たった100円の答えを求める問題だったが、我が家にとっては、数十万円の損失を防いでくれた大切な問題になった。
皆さんは、ポテトの値段、すぐに分かりましたか?