妊娠7ヶ月の私の足元に、突然、植木鉢が落ちてきた。
反射的にお腹を抱えて一歩後ろに下がる。
次の瞬間、ガシャンという音とともに植木鉢が床で割れた。
黒い土がリビングいっぱいに広がる。
あと少しで、私の足に当たるところだった。
私は息を整えながら床を見つめた。
沈黙を破ったのは義母だった。
「働かない嫁が家でゴロゴロしてるから、花まで枯れるのよ。
」
腕を組んで、義母は鼻で笑う。
私はまだお腹を押さえていた。
義母は私のお腹をちらっと見て、吐き捨てるように言った。
「そんな腹で何もしてないじゃない。」
胸の奥がじわっと熱くなる。
言い返そうとした瞬間、夫が口を開いた。
「母さんにそんな言い方するなよ。」
私はゆっくり顔を上げた。
夫は腕を組み、不機嫌そうに立っている。
「母さんだって悪気があったわけじゃない。」
悪気がない?
さっき植木鉢を蹴り倒したのは、この人だ。
しかも、それは——
私が買った植木鉢だった。
三年前、この家に引っ越したときに買ったもの。
私は床の土を見ながら、静かに言った。
「その植木鉢、私が買ったんです。」
義母は肩をすくめて笑った。
「だから何?」
私は顔を上げた。
「この家の家具、ほとんど私が買いました。」
夫が眉をひそめる。
「急に何の話だよ。」
私は夫を見た。
三年前のことを思い出していた。
この家を買ったとき。
契約も、頭金も、全部私だった。
結婚したあと、夫は義母にこう言った。
「俺が買った家だよ。」
私はその時、何も言わなかった。
夫のプライドを守るためだった。
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