夫が段ボールに荷物を詰めていたある日、彼は私に向かって「引っ越す、この家は弟夫婦に渡す。反対したら離婚だ」と身勝手な言葉を言い放った。突然のことに私は耳を疑ったが、彼が大切な事実をすっかり忘れていることに気づき、冷ややかな笑みを浮かべた。
私は結婚して4年になる主婦である。かつて両親を早くに亡くした私にとって、中学時代から引き取って育ててくれた祖父はかけがえのない存在であり、心から慕う人だった。
しかし、その最愛の祖父ががんで旅立ってしまった時、深い喪失感に沈む私に寄り添い、優しく支えてくれたのが今の夫だった。その恩と信頼があったからこそ、私は彼と結婚し、大切に支えてきたつもりだった。
しかし、夫の態度は平穏な日常の中で徐々に変わっていった。ある日、自慢の弟である義弟がリストラに遭ったという連絡を受けた夫は、動揺のあまり私に当たり散らすようになり、家事を完璧にこなす他の家の妻と比較しては毎日のように私を非難した。そして、仕事で失職した義弟夫婦にこの家を勝手に譲り渡すという暴挙に出たのだ。
夫から記入済みの離婚届を突きつけられた瞬間、彼に対する愛情や信頼は氷のように冷め切った。
私は「離婚で構いません」とはっきりと告げ、その場で離婚届に記入して署名を済ませた。
呆然とする夫に向かって、私は冷徹に事実を突きつけた。 「勘違いしているかもしれないけれど、この家はあなたのものじゃないわ。土地は私の祖父のもので、家は私が相続した私名義の家よ。固定資産税だって払っていなかったくせに、どうやってこの家を引き渡すつもりだったの?」
その言葉を聞いた瞬間、夫の顔色は一気に青ざめ、自分が犯した身勝手な勘違いと暴走に気づいて激しく動揺し始めた。家の名義のことなどすっかり忘れていた彼は、情けなくオロオロと取り乱すばかりだった。
「この家から出て行くのは、あなただけよ。私とあなたはついさっき赤の他人になったんだから、さっさと出て行って」
私の冷たい言葉に、夫は泣きながらすがりついてきたが、もはや私の心に響くものは何もなく、彼はそのままみじめに家を追い出されることになった。
その後、夫の身勝手な振る舞いや今回の騒動は元夫の会社にも知れ渡り、社内で居場所を失った彼は窓際部署へと左遷されることになった。事情を知った元義弟からも謝罪があり、夫は家族からも見放されて孤独な生活を送ることになったという。
私は祖父から受け継いだこの大切な家を守りながら、これまでの澱んだ日常を断ち切り、自分の足でしっかりと新しい人生を歩み始めている。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=33VEFZSBCh8,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]