友人の肩にある丸い跡に気づいたのは、夏にノースリーブを着ていた時だった。
傷は新しいものではない。
中心が少しくぼみ、周囲の皮膚が細かく縮んだようになっている。
「手術したの?」
私が尋ねると、友人は笑った。
「違うよ。昔のワクチンの跡らしい」
本人も詳しいことは知らなかった。
母親から、
「小さい頃からあった」
と聞いただけだという。
不思議なのは、普通の予防接種なら何年も残る大きな傷になることは少ないのに、この跡だけは大人になってもはっきり見えることだった。
そこで健康診断の際、医師へ写真を見せて尋ねた。
「どうしてワクチンで、こんな傷が残るんですか?」
医師は最初に、
「写真だけで、何のワクチンによる跡かは断定できません」
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