ステージに並ぶのは、縦に立つ「1」と、その隣に鎮座する「0」。これで「10」、つまり「十」という数字が完成している。しかし、これをたった2本のマッチ棒で「100」に変えろなんて、あまりに無茶ぶりじゃないか? いや、ここにこそ真の頭の体操の醍醐味があるのだ。
この「1」と「0」をじっと見つめる。一本一本、まるで将棋の駒のように戦略的に配置されている。しかし、ルールはシンプル。「加えるのは2本だけ」。これが絶対条件だ。マッチ棒の数は少ないが、その可能性は無限大。少しの追加で大きな変化を生む「少即是多」の美学がここに隠されている。
一瞬「10にゼロを足して100だ!」と考えたあなた、残念ながら物理的にゼロは足せない。そこで視点を変えよう。数字をそのまま足すのではなく、形を変えて「漢字」に進化させるという裏ワザがあるのだ。
「1」と「0」をつなぐように1本斜めに追加し、さらに「0」の内部に1本縦棒を追加すると……。そう、これで「百」という漢字が完成! 百はすなわち100、つまり10の10倍ということだ。
普段は数字でしか捉えない「10」を、たった2本のマッチ棒で「百」という漢字に変貌させる――ここにこそ、頭脳と美意識の融合がある。
正解は「1」と「0」の間に斜めの1本を入れ、さらに「0」の中に縦棒を追加して「百(100)」を作る、というもの。
「えっ!? そんな発想なかった!」と膝を打った人も多いだろう。
これぞ、制約の中から生まれる創造性。2本のマッチ棒という小さな追加が、数を一気に10倍に押し上げる。たった2本、されど2本。この「少即是多」の魔法は、日常でも大切にしたい発想だ。