十一月のロサンゼルスは乾いた陽射しに包まれていた。優勝パレードの余韻が街角にまだ漂うなか、静かな熱狂は別の市場で燃え上がっていた。スクリーンに映るのは試合のハイライトでもホームランの弾道でもない。グラフだ。
一本の曲線が右肩上がりに伸び、ある地点で鋭く跳ね上がる。トレーディングカードの価格推移を追跡する「Card Ladder」のチャートである。米メディア「ON SI」が伝えたのは、その曲線の主――大谷翔平、ドジャースの至宝が、いまや「金融商品」として市場を席巻しているという事実だった。

記事は端的だ。大谷翔平(31)、メジャー二度目のワールドシリーズ制覇。フィールドでの絶対的な強さが、そのままカード市場の絶対値となって表れている。
証拠は数字である。2018年版ボウマン・クローム・ゴールド・リフラクター・ルーキーカード――世界に50枚しかない貴重な一枚が、11月2日、6万ドル(約925万2000円)で落札された。わずか四か月前の7月31日には3万2000ドル(約493万4400円)。そこから2万8000ドル(約431万7600円)も跳ね上がった。
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