リビングへ入ってきた義妹・里穂の姿を見た瞬間、私は思わず悲鳴を上げました。
彼女が身にまとっていたのは、私が大切にしまっていた白いワンピース――それも、もう手に入らないほど高価な一着でした。そして胸元には、はっきりとした茶色いシミが広がっていたのです。
「……ちょっと、私の服、汚れてるじゃない」
声が震えました。怒りというより、積み重なった疲労の底から湧き出る絶望に近い。
すると里穂は、悪びれもせず舌をぺろりと出して笑いました。
「あ、これ? ちょっとコーヒーこぼしちゃってさ。友達にも“ドジだねー”っていじられた〜」
「あなた、それいくらすると思ってるの?」
私が必死に抑えた声で言うと、里穂は肩をすくめるように言い放ちました。
「もう、家族に対してそんな細かいこと言わないの。詩織さんってケチくさいとこあるよね〜。ねえ、お兄ちゃんもそう思わない?」
視線を向けられた夫・健人は、スマホから顔を上げ、ためらいなく頷いただけでした。
「うん、俺もそう思うよ。わざと汚したわけじゃないだろ」
――その瞬間、私の中で何かが「ぷつん」と切れる音がしました。
新築の家。やっと手に入れた“私たちの城”が、毎日のように踏み荒らされる。私の尊厳も、時間も、努力も、家族という名目で消費されていく。なのに夫は、私の味方にならない。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=XmDRzQSQ6tg,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]