会議室で部長が満面の笑みを浮かべた。
「また君のシステムを採用する。さすがだな」
称賛の視線が一点に集まる先には、俺ではなく部下の桐谷がいた。彼は有能を装うのがうまい。俺が深夜まで積み上げた設計書とソースを、いつの間にか自分の成果として提出し、表彰も昇進もさらっていく。
俺が異議を唱えればどうなるか。
「チームの空気を悪くするな」
そう返されるだけだ。証拠は巧妙に消され、共有フォルダの履歴もいつも都合よく途切れている。桐谷は肩をすくめ、丁寧な言葉で俺にだけ針を刺す。
「先輩のシステム、次も参考にさせてください」
参考ではない。盗用だ。
ある夜、オフィスに残ったのは俺一人だった。画面に映るのは、来期の基幹刷新プロジェクト。採用が決まれば会社の屋台骨を支える。だが、それは同時に桐谷の出世の踏み台でもある。俺の胸に、静かな決意が落ちた。正面から戦っても握り潰される。ならば、仕組みそのものを変えるしかない。
俺は仕様どおりに動く骨格を残しつつ、見えにくい箇所へ異物を混ぜていった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=E8JECqMpi0o,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]