戦後の日本は、物資不足が深刻な時代でした。特に、ガソリン不足によって多くのトラックやバスが「代燃」と呼ばれる代替燃料を使って動いていました。その中でも、木炭を燃料にして走る「木炭車」は、その時代を象徴する乗り物の一つでした。父も、そんな木炭トラックに乗り、日々の仕事に励んでいた一人でしたが、その道のりは想像以上に過酷で、数々の苦労がありました。

木炭トラックの時代

戦後間もない頃、日本は急速に復興を目指していましたが、燃料の供給が追いつかず、ガソリンを手に入れることが困難でした。そこで、ガソリンの代わりに木炭を燃料として利用する「木炭車」が登場しました。木炭トラックやバスは、石炭や木炭を燃やして得られるガスを使って走る仕組みでしたが、ガソリンエンジンと比べてそのパワーは圧倒的に弱く、特に急な坂や山道では大きな苦労を強いられました。

父も木炭トラックの運転手として働いており、峠越えをするたびに木炭を大量に積み込んで出発しました。

炭俵が盗まれた悲劇

記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください