私が初めて彼女の実家を訪れた日、まさかあそこまで露骨な侮辱を受けるとは思っていなかった。
私の名前は近藤司。高卒で、現在はフリーランスとして働いている。
交際して二年になる森ひかりさんに先日プロポーズし、ありがたいことに承諾をもらった。そこで正式に結婚の挨拶をするため、私は彼女のご両親のもとを訪ねることになったのだ。

ひかりからは、実家は代々官僚を輩出してきた家系だと聞いていた。少し緊張はしていたが、それでも誠実に向き合えば気持ちは伝わるだろうと信じていた。
実際、最初に出迎えてくれたお父さんは穏やかで、私が名乗って挨拶をすると、「そんなに堅くならなくていい。ゆっくりしていってくれ」と優しく声をかけてくれた。
ところが、和やかな空気は、ある一言をきっかけに一変した。
「ところで司さんは、どちらの大学をご卒業ですの?」
ひかりのお母さんにそう聞かれ、私は正直に答えた。
「大学には進学しておりません。高卒です」
その瞬間だった。
さきほどまで微笑みを浮かべていたお母さんの顔が、驚くほどあからさまに曇った。
「はあ? 高卒で結婚の挨拶に来たわけ?」
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