私は高橋涼子。昔から「心配性だね」とよく言われる性格だった。石橋を叩いて渡るような慎重なタイプだ。
そんな私と正反対だったのが、夫の正宏だった。
「なんとかなるって。まずやってから考えよう」
それが彼の口癖だった。
私たちが出会ったのは大学二年の春、新歓イベントだった。受付係として緊張していた私に、彼は笑いながら声をかけてきた。
「そんな怖い顔してどうした?失敗しても死ぬわけじゃないって」
軽い言葉だったが、不思議と場の空気を和ませる力があった。その明るさに私は次第に惹かれていった。
数か月後、彼から告白され、交際が始まった。性格は正反対だったが、それがかえって新鮮だった。
彼の行動はいつも行き当たりばったり。旅行の予約も当日。財布の中身も確認せず高級レストランに入る。
そのたびに私はハラハラしたが、不思議と最後はなんとかなった。
「ほら言っただろ」
得意げに笑う彼を見ると、私まで笑ってしまう。そんな日々が続き、大学卒業から二年後、私たちは結婚した。
結婚生活は順調だった。共働きで家計も安定し、穏やかな毎日が続いた。
しかし、ある日正宏が言い出した。
「家計管理、俺がやってみようかな」
最初は軽い提案だった。だが私は正直、不安だった。
彼は大雑把な性格だからだ。
案の定、数週間後には引き落とし前日に残高不足になることが何度かあった。そのたびに私はこっそり自分の口座から補填した。
けれど大きな問題にはならず、日々は過ぎていった。
そして結婚五年目。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=I334MxuvSr0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]