1歳の誕生日に、おばあちゃんが買ってくれた小さなアンパンマンのお茶碗。
息子が18歳になった今でも、我が家の食卓にはそのお茶碗がありました。
周りから見れば、ただの子ども用の茶碗です。
少し色あせていて、絵柄も昔ほど鮮やかではありません。
でも、私たち家族にとっては、18年間の思い出が詰まった特別な器でした。
初めて自分でご飯を食べようとした1歳の頃。
まだスプーンを上手に持てなくて、ご飯をこぼして泣いていた息子。
そんな息子を、おばあちゃんは笑顔で見守りながら、
「このお茶碗でいっぱい食べて、大きくなるんだよ」
と言って渡してくれました。
それから18年。
小学校に入っても、中学生になっても、高校生になっても。
息子はそのお茶碗を手放しませんでした。
「もう子ども用じゃないんだから、新しいの買おうか?」
何度かそう言ったこともあります。
でも息子は、
「これ、おばあちゃんが買ってくれたやつだから」
と笑って断りました。
体は大きくなっても、心の中ではずっと大切にしていたんだと思います。
そんなある日のことでした。
夕食の片付けをしていた時、手が滑りました。
カタン。
一瞬、時間が止まったような音がしました。
床を見ると、そこには粉々になったアンパンマンのお茶碗。
まるで綺麗に線を引いたように、いくつもの破片に分かれていました。
「……うそ」
思わず声が漏れました。
すぐに拾おうとしましたが、細かく割れた破片を見て、胸が苦しくなりました。
これは簡単には直せない。
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