夫の不倫相手が、学生時代からの親友・ゆかだと知ってから1週間。
私は何も気づいていないふりを続けていた。
問い詰めれば、夫は証拠を消す。ゆかにも口裏を合わせる時間を与えてしまう。そう考え、苦しくても普段どおりに食事を作り、娘の前では笑っていた。
そんな朝、夫の上着をハンガーに掛けようとすると、ポケットから1枚のレシートが落ちた。
女性向けアパレルブランド。
金額は27,650円。
私の誕生日でも、結婚記念日でもない。
嫌な予感がして、ゆかの投稿を確認した。すると3日前の写真に、そのブランドの袋と新しい服が写っていた。
「自分へのご褒美」
白いハートまで添えられていた。
胸の奥が一気に冷えた。
先週、夫は私にこう言ったばかりだった。
「家計が厳しいから節約しよう。娘の習い事も1つ減らさないか」
娘はその教室が大好きで、毎週楽しみにしている。月謝を惜しんで泣かせようとした夫が、裏ではゆかに27,650円の服を贈っていたのだ。
私はレシートと投稿画面を撮影し、日付が分かるように保存した。これまで集めたメッセージや行動記録も、夫が触れられない場所へ移した。
その夜、夫が帰宅しても、すぐには問い詰めなかった。
「土曜日、話したいことがあるから予定を空けておいて」
それだけ伝えた。
夫は一瞬目を泳がせたが、「何の話?」と笑ってごまかした。
私は共通の友人には相談せず、先に弁護士へ連絡した。感情だけで動かず、娘の生活と自分の権利を守るためだった。
土曜日、娘を実家へ預け、リビングの机に書類を並べた。
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