今日、亡くなった友人のご家族から、2回目の化粧品の形見分けをいただいた。
紙袋を開けると、ゲランのクリームや美容液、化粧水、ファンデーションが丁寧に並んでいた。どれも友人らしい、上品で美しい品ばかりだった。
箱の底には、折りたたまれた1枚のレシートが入っていた。
日付は2021年9月4日。
クリーム1点、160,000円。
美容液2点、123,800円。
クレンジング3点、21,000円。
化粧水3点、45,000円。
ファンデーション2点、31,000円。
合計11点で418,880円。
数字を何度見ても、すぐには理解できなかった。
彼女が美容にこだわっていたことは知っていた。いつ会っても肌はきれいで、口紅の色も服装に合わせていた。
でも、これほどお金を惜しまず、自分の美しさと向き合っていたことは、亡くなってから初めて知った。
「こんな高価な物、私がもらっていいの?」
うれしさより先に、申し訳なさがこみ上げた。
前回も化粧品をいただき、お礼の品をお送りしている。今回の金額を知ると、何をどれだけ返せばいいのか分からなくなった。
思い切って友人の娘さんへ連絡すると、彼女は静かに言った。
「母は高価だから買っていたんじゃないんです。毎朝、お化粧をすると元気になれると言っていました」
そして、意外なことを教えてくれた。
友人は生前、「私が使えなくなったら、あの人に使ってもらいたい」と、私の名前を何度も口にしていたという。
「お返しはいりません。母の好きだった物を、覚えている人に使ってほしいんです」
その言葉を聞いた途端、レシートの金額が別のものに見えた。
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