高校2年の私は、同じクラスの女子を少し前から気にしていた。
席は私の2つ後ろで、授業中に話す機会はほとんどない。
それでも、プリントを回すときに目が合ったり、廊下ですれ違ったときに挨拶をしたりするだけで、勝手に期待していた。
その彼女が放課後、わざわざ私の席まで来た。
「少し言いにくいんだけど」
そう前置きされ、何を言われるのかと身構えた。
すると彼女は、
「墨汁の臭いがする」
と私の肩付近を見ながら言った。
悪口のようにも聞こえる。
しかし彼女は笑っておらず、私をからかう様子もなかった。
「いつから?」
私が尋ねると、彼女は少し考えた。
「今週に入ってから。近くに来ると結構する」
「僕の近くに、よく来てた?」
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