皆さんはウィルタ族という北方民族をご存知ですか？北方民族と聞くと、まず思い浮かぶのはアイヌ民族かもしれませんが、実は千島列島や樺太（サハリン）にはアイヌ以外にも多くの少数民族が存在していました。

ウィルタ族とは？

ウィルタ族とは、主に樺太の東側に住んでいた民族で、現在の人口は約300人とされています。

ウィルタ族の起源は、17世紀頃にロシアの極東部から樺太へ移住してきたとされています。「ウィルタ」とは「トナカイと共に生活する人」を意味し、その名の通り彼らの生活はトナカイと深く結びついていました。トナカイは移動手段や荷物の運搬、衣類の材料として活用され、ウィルタ族の生活には欠かせない存在でした。

ウィルタ族の生活

ウィルタ族の生活は、季節に応じた遊牧生活が基本でした。春から夏にかけてはオホーツク海沿岸で漁を行い、冬になると内陸部で狩りを行いました。漁では魚や海藻、そしてアザラシやラッコなどの海獣を捕り、内陸部ではオオカミやイノシシ、キツネ、山猫などを狩っていました。また、山菜やキノコを採ることもあり、自然との調和を重んじた生活を送っていました。

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