昭和百年記念式典をめぐり、宮内庁長官の発言が大きな波紋を呼んでいる。発端は、天皇皇后両陛下が出席された国家的式典で、天皇陛下のお言葉がプログラムに含まれていなかったことだった。
本来、こうした節目の式典では、陛下が国民へ向けて思いを述べられる場面が自然に想定される。戦後の歩み、平和への祈り、過去への反省。
そうした言葉は、政治的主張ではなく、象徴天皇として国民の心に寄り添う大切なメッセージであるはずだった。
しかし、その場に陛下のお言葉はなかった。厳かな会場に残ったのは、どこか説明のつかない沈黙だった。記者会見でこの点を問われた宮内庁の黒田長官は、苦渋をにじませながら、政府側からの申し出に基づいた対応だったと説明した。
この一言は、静かな会見室の空気を一変させた。つまり、お言葉がなかったのは宮内庁の判断ではなく、ましてや両陛下のご意向でもなく、主催者である政府側の意向が強く働いた可能性が示されたのである。
もしそうであるなら、問題は単なる式典進行の不備では済まされない。天皇陛下を国家行事の権威づけとして招きながら、その言葉だけを封じる。これは皇室への敬意というより、皇室を都合よく利用する姿勢に見えてしまう。
さらに注目されたのは、宮内庁が別の形で公表した両陛下のご所感だった。
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