ある日のこと、車で人気のない道路を走っていると、遠くから小さな鳴き声が耳に届きました。最初は気のせいかと思ったものの、その鳴き声があまりにも切羽詰まったものであることに気付き、車を止めて音の源を探し始めました。道端に目を向けると、そこに倒れている一匹の猫と、そのそばで必死に鳴く子猫の姿がありました。

親猫は冷たく、息が途切れ途切れにしか聞こえず、もう命が尽きかけている様子でした。

子猫は震えながら必死に母親にすがりついており、その姿に胸が締め付けられました。このままではどちらも助からないという危機感が一瞬で胸を支配し、私はすぐに行動を決めました。

脈を取ってみると、親猫は非常に危険な状態であることがはっきりしました。瞳孔も開いており、これ以上遅れることなく救助をしなければ命を落としてしまうだろうということが明確でした。幸いにも車にはペットキャリーが積まれており、迷うことなく親子猫を病院へと運ぶ決断をしました。

私は急いで親猫と子猫を抱き上げ、車の中で命が尽きる前に病院に到着できるよう、ひたすらスピードを上げました。車の中では、親猫の呼吸が次第に弱くなっていくのを感じ、心臓が震えました。どうか間に合ってほしいと、ただ祈る思いでした。

病院に着くと、獣医師たちがすぐに対応を始めました。親猫は重度の内出血と骨折をしており、緊急の治療が必要な状況です。

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