「もうどうしたらいいの?言葉が通じないわ。」受話器を片手に天を仰ぐ美人女性。中国支社からの電話がかかってきたが言葉が通じず、主任の美紀さんは困り果てていた。担当は黒田というエリートだったが、彼は仕事がいい加減すぎて洞察力がないのか故意なのか、主任をわざと困らせたのかのどちらかだった。
その時、青ざめた顔の主任の肩に手を置き、俺は「代わってください」と受話器を受け取った。
そして俺が発する一言で、黒田はガタガタと震えだした。
「あなた一体何者なんだ…?」
俺の名前は渡瀬一郎。業界最大手の貿易会社で貿易事務として働いている。事務といっても、うちは海外との交渉から発注、物流手配まで様々な業務を幅広く行う。
普段、俺の仕事は地味で静かなものであったが、この日、俺は美紀主任を助けるためにほこりをかぶり、封じ込めていた能力を解放する決意をした。そして、流暢な中国語でやり取りを始めた。隣で心配そうに見守っていた美紀さんは、俺の対応に驚愕しつつも、その確実な交渉術に口をあけて見とれていた。
電話を無事に切って振り返ると、美紀さんは息を飲んでいた。
「渡瀬さん、あなた一体何者…?」俺は微笑んで返事をした。「渡瀬一郎、ただの窓際社員です。」
その後、俺の正体が徐々にバレていったのだが、会社内での俺の評価は一変した。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=R1nvZMgWTCI,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]