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今朝、いつものように会社に行って、 オフィスのドアを開けた瞬間、 空気がいつもと違うのが分かりました。 普段なら、その時間にはもう 隣の席のモニターがついていて、 彼はヘッドホンをして、 片手でキーボードを叩きながら、片手でお茶を飲んでいる。 でも今日は、椅子が、空っぽでした彼の席に行ってみると、(続)。
2025/11/28

今朝、いつものように会社に行って、

オフィスのドアを開けた瞬間、

空気がいつもと違うのが分かりました。

普段なら、その時間にはもう

隣の席のモニターがついていて、

彼はヘッドホンをして、

片手でキーボードを叩きながら、片手でお茶を飲んでいる。

でも今日は、椅子が、空っぽでした。

有給じゃない。

退職したわけでもない。

二度と戻ってこない「空席」でした。

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彼は 38 歳。

同じエンジニアで、同じようにコードを書き、

同じようにバグに追われていた人です。

昨日の昼間まで、

社内チャットに普通に返信していました。

「この仕様こうした方が良くない?」

「テストデータもう少しちょうだい。」

夕方になって、

「ちょっと胸が苦しいから、今日は早めに上がるわ。」とメッセージを残して、

そのまま会社を出たそうです。

それが、最後でした。

救急車が来たときには、

もう手遅れだったと聞きました。

彼の席に行ってみると、

モニターには昨日のままのコードが映っていました。

まだ書きかけの if 文。

カーソルだけが、むなしく点滅している。

デスクの端には、

コンビニで買ったであろうペットボトルの緑茶。

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飲みかけのまま、そこに置かれていました。

まるで「ちょっとコンビニ行ってくる」と言って

そのまま戻ってこなかったみたいに、

全てがそのまま止まっている。

でも止まったのは仕事じゃなくて、

彼の時間でした。

彼は、うちのチームで一番まじめな人でした。

障害が起きれば、誰より早くログを見に行く。

リリース前は、言われなくても残ってテストをする。

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