「また動かされている……」
自宅を見に行った日のことでした。
私は玄関前に置いていた三角コーンを見て、ため息をつきました。
この家は現在、売却に出しています。
すぐに引っ越す予定ですが、大切な家です。
買い手が決まるまで、定期的に様子を確認しに来ていました。
理由があります。
何度も、違和感を感じることがあったからです。
最初は小さな変化でした。
カーポート前に置いていた侵入防止用の三角コーン。
車を勝手に入れられないように置いていたものです。
しかし、数日後に見に来ると位置が変わっていました。
風で飛んだとは考えにくい場所。
毎回、誰かが動かしたような状態でした。
私は最初、気にしないようにしていました。
「売却中だし、あと少しの我慢」
そう自分に言い聞かせていました。
でも、その日の光景を見た瞬間、我慢できなくなりました。
我が家のフェンス。
正確には、私が所有している敷地内のフェンスに……
青いブルーシートが干されていたのです。
「え……?」
思わず声が出ました。
隣の家の人が、自分の物のように使っていました。
フェンスは共有物でもありません。
私の家の持分です。
勝手に物を掛けていい場所ではありません。
しかも、隣人とは以前から関係が良くありませんでした。
過去にも境界付近のことで何度か揉めたことがあります。
だからこそ、今回のことも偶然とは思えませんでした。
私はスマホを取り出しました。
まず写真を撮りました。
フェンスの位置。
ブルーシートの状態。
周囲の状況。
すべて記録しました。
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