平安時代、一条天皇の最愛の妻であった藤原定子。その華やかな人生は、権力の光の中にありましたが、絶望と悲劇が彼女を追い詰め、24歳という若さで幕を閉じました。今回は、その壮絶な生涯を追っていきます。
977年、定子は藤原道隆と高階貴子の長女として誕生しました。名門の出自に生まれた彼女は、幼少期から貴族社会の中で教養を身につけ、特に和歌や文学に秀でていました。
定子は14歳で一条天皇に嫁ぎ、すぐに彼の心を掴みます。一条天皇は、聡明で気品あふれる定子に心を奪われ、日々彼女との会話や文学を楽しんでいたと言います。定子は天皇の寵愛を一身に受け、彼女の周りにはいつも華やかな人々が集まり、宮廷内は輝かしい日々に満ちていました。
定子と一条天皇の夫婦関係は非常に良好で、彼女が出家を決意した際にも、天皇は毎日彼女に手紙を送り続け、会いたい一心で定子の元に通い続けました。天皇にとって、定子は心の拠り所であり、彼女との時間が何よりも大切でした。
しかし、995年に父・道隆が急逝し、定子の運命は一変します。権力争いが激化し、道隆の弟である藤原道長が宮廷内で台頭。
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