大河ドラマ『光る君へ』の第26回放送で、藤原道長の長女である藤原彰子に多くの注目が集まりました。紆余曲折を経て一条天皇への入内が決まった彰子ですが、彼女自身は何を考えているのか、何も考えていないのか、ボケーッとした表情を見せることが多かった。その姿を見上愛さんが見事に演じていました。

しかし、史実の藤原彰子はどのような人物だったのでしょうか？彼女は日本史上で随一の権力者である父を持ち、その生涯を通じてどのような幸せや苦難を経験したのでしょうか。

彰子の生い立ちと家庭環境

藤原彰子は永延二年（988年）に生まれ、父は藤原道長、母は源倫子という非常に高貴な血筋のもとに育ちました。正暦元年（990年）に着袴を行い、その後は「后がね」として皇后候補として育てられました。父の藤原道長は藤氏長者、母の源倫子は宇多源氏の血筋を引く、まさにトップクラスの家系です。

幼い頃の彰子に関する記録は多くありませんが、彼女が成長する中で重要な出来事がいくつかありました。正暦二年（991年）には伯母の藤原詮子が出家し、史上初の女院となりました。

これが彰子にとっての先例の一つとなります。

長徳の変と中関白家の没落

彰子が幼い頃に経験した最も大きな事件の一つが、長徳の変です。長徳二年（996年）、藤原伊周と藤原隆家が花山法皇を襲撃し、結果として中関白家が没落するきっかけとなりました。この事件により、藤原彰子の入内と立后の道が開かれました。

記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください